【アメリカの戸建て住宅事情】第5回 構造-断熱-外壁-内装施工
- エディ先生

- 10月31日
- 読了時間: 4分

この人生で一度だけの新築住宅の経験は、ぜひ記録に残そうと、毎週一度現場に出向いて、写真とビデオを撮影する予定でした。定点撮影をして、これらを後で早送りしたスライドショーを作ると、家が建つ様子がわかるなあと思い、悠長に計画していました。
ところが、ベタ基礎のコンクリート打設の2日後から、2x4(ツーバイフォー)建築の施工が始まり、1週間もかからず、構造が終了。あっという間に屋根が閉じられてしまいました。
昨年の9月から10月は雨がほとんど降らなかったので、天候で現場が遅れることもなく、工事はあっという間に進んでいきます。特にアメリカ特有の2x4構造を組む様子を少しずつ撮影したかったんですがね……。わずか2~3日で、2インチx4インチの角材を16インチ幅に立て、屋根には三角形のトラス(truss)を平たい木材で組んで、あっと言う間に構造が出来上がってしまいました。翌週の日曜日には、下の写真の構造まで完了。1週間に一度現場に行って、少しずつ家らしくなっていく様子を撮影するという目論見も、完全に裏切られました。

断熱材施工 Installing insulation material
構造が立ち上がると、次は、壁と屋根に断熱材を装着します。これも1~2日で終了。施工開始から4週間で屋根の断熱材まで終了というスピードです。
下の写真は着工から3週間後の姿です。

建具の据え付け Installation of the doors & windows
施工開始から、ほぼ1か月後に、窓の取り付けが行われました。2014年以降建築基準法(Building Code)により、住宅の窓は、省エネ対策ですべてぺアガラス(2枚ガラス、paired window glass)で断熱するようになっています。アメリカの住宅の窓は、日本のようなサッシの引き(sliding door)ではなく、2枚の窓の上が固定で、下側が上に引き上がるデザイン(single hung window)が主流ですが、最近の設計では、上に持ち上げるだけでなく、フックをオフにすると、前に倒れて開くようにもなっています。
注意しなければいけないのは、窓のサイズ。一軒の家の中でも、それぞれ微妙にサイズが異なります。カーテンや、ブラインドを取り付ける際に、一つ一つの窓の縦・横・高さを計測しないと、特にはめ込み式のカスタムメイドのシャッターは窓枠に入らなくなります。

窓の据え付けが終わると、6週間目に、一度施工担当との、現場確認が行われ、家のレイアウト、オプション、電気、ガスなど設備配管の立ち上げ位置などの確認を行います。
その後内装工事が始まり、まずは、dry wall(ドライウォール、内装の石膏ボード)の施工が行われます。アメリカの住宅内装は、ほぼこのドライウォールで施工され、その上に塗装を施します。ドライウォールは断熱性に優れ、火災の際も炎や熱が加わると、結晶水が蒸気として放出され熱を吸収し、延焼を防ぎ、さらに遮音性が高いことが特徴です。弱点は水に弱いため、雨漏りや上階からの水漏れがあると、貼り換えが必要になります。

屋根材設置 Installing roof shingles
アメリカの一戸建て住宅の8割ぐらいは、アスファルトシングル(asphalt shingles)という柔らかい薄い素材を屋根材として使います。メリットは、瓦に比べて重量が1/5であること。支えに強い構造は不要で、切断が容易であり、施工性が高いこと。また設置も圧縮空気式のネイルガン(pneumatic nail gun)で打ち付ける作業で、1日であっという間に貼り付けが終わりました。

外装レンガ設置
内装と同時期に、外壁のレンガ設置もどんどん進みます。レンガと石を組み合わせて外壁を仕上げるオプションがあったのですが、コストが高すぎて、我が家はシンプルに一種類のレンガで全外壁を仕上げるデザインを選択しました。このレンガ施工は手作業で、一つ一つセメントを載せて積み上げてゆくため、かなりの人数で時間がかかったようです。

とは、言いながら、基礎から、内装壁と外壁レンガ設置まで50日程度でほぼ終了しました。本当は、自分の家が、もっと少しずつ出来上がっていく姿をゆっくり見たかったような気もします。9月中旬の着工で、クリスマスには終わってしまいそうなぐらいのスピードです。
次回は内装の詳細と外構仕上げです。お楽しみに!
by エディ先生
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日本でも2x4は一般化していて、アメリカ同様組み立ては早いです。
内壁の石膏ボードの使い方も同じですが、塗装仕上げは少なく、クロスなどを貼るのが多いです。
一番違うのが外壁で、レンガ積みには驚きました。