「同時通訳なんてムリ!」と思っているあなたへ――脳の筋トレで変わる!
- エディ先生
- 6月27日
- 読了時間: 5分

「同時通訳なんて人間業じゃないでしょ?」「一体どんな脳みそしてるの?」 そんな声、よく耳にします。
でも、もしあなたがすでに逐次通訳をされているのであれば、同時通訳だって、“脳の筋トレ”次第でできるようになりますよ!
シャドーイングで挫折したあなたへ
通訳学校の先生に、「シャドーイングを徹底的にやれ」って言われて、頑張ったけど。。。。。全然上達してる気がしない……
そんな経験、ありませんか?
よ~くわかります。実は私も、駆け出し通訳時代、シャドーイングが大の苦手でした。
というか、ぶっちゃけ嫌いでした。まず、教材の英文の内容が、政治や経済の難しい文章ばかりで、本当に飽き飽きしてました!
さらに、「これ、意味あるのかな?」と疑っているから、まったく上達しない。スポーツで言うと、「意味なくグラウンド10周させられている“やらされ感”。。。」――当時の先生、ごめんなさい🙇!
今振り返って思うのは、いきなり長い英文のシャドーイングを試みるのは、サイクリングにたとえるなら、筋トレで足腰を鍛えることもせずに、ロードバイクでツール・ド・フランスの山を登れと言われてるようなもの。
当然、登れませんし、倒れてケガしますよね。
同時通訳者はアスリート!
逐次通訳には、アカデミックなshort-term retention(短期記憶維持能力)、comprehension(聞取り理解力)、ノートテーキング(書取り力)といった、基礎的なスキルは絶対に欠かせません。これは同時通訳も同じですが、一方同時通訳には、それ以外に、「運動能力」的な「特殊技能」が必要になります。
その運動能力とは?
脳を2分割して**インプット(聞く)とアウトプット(訳出)**を別に動かす力です。
つまり、0.5秒ほど遅れてアウトプットがインプットを追いかけられる能力です。ざっくり言えば、
• インプット(聞いて、理解して、置換する)→ 脳の80%
• アウトプット(訳出)→ 脳の20%
というイメージ。
これって、勉強や知識じゃなくて「身体感覚」なんです。
だからこそ、同時通訳スキルは、「勉強する」のではなく、「トレーニング」を重ねる事なのです。
私が効くぅ~!と感じた「単語とばし」トレーニング
ここで、私が通訳学校時代に学んで「おおっ、効いてる……!」と実感した練習法をご紹介します。
その名も――「単語とばし」トレーニング!正式名はラギング”lagging”と呼ぶらしいです。
やり方は超シンプル
Step 1:短い単語を10個書き出す
たとえば、こんな感じ:
山・川・海・池・水・丘・空・土・風・波
Step 2:録音する
メトロノームやアプリを使って、等間隔で録音します。スマホでOK!
Step 3:トレーニング開始!
• 1つ飛ばし

録音を再生し、「川」の音に合わせて「山」を言う(かぶせる)、「海」に合わせて「川」を言う……というように、1つ前の単語を2つ目の単語と同時にアウトプットする。
• 2つ飛ばし

さらに慣れてきたら、「海」に合わせて「山」を言うような、2つ前の単語を3つ目の単語にかぶせて言ってみましょう。
• 3つ飛ばし
ここまで来たらかなり脳が鍛えられてきた証拠!達成感ありますよ。
一日5分で大丈夫です。この練習はラップトップの前で、ヘッドセットつけて準備する必要もなく、スマホとイヤーバッドだけでできるので、ジョギング中でも、ジムでもできますよ!リピート再生で毎日数回練習できます。
英語でもやってみよう!
もちろん、日本語だけじゃなく、英語の短い単語でも同じトレーニングをします。
"mountain, river, ocean..." など、テーマを決めてやってみてください。
これを繰り返して3ヶ月ほど続けると、驚くほど変化を感じるはずです。
気づけば脳が勝手に単語を記憶→再生してくれるようになっていきます。
レベルアップ編:日英・英日の「単語とばし」
さらに次の段階で、**「言語を変えて」**やってみましょう。
たとえば、「海」のタイミングで「山」を英語にして**"mountain"** と発音する。
これ、最初は難しいけど、しっかり続ければ確実に力がつきます。
ポイントは、アウトプットを気にしすぎないこと。
とにかく「聞くこと」に80%集中してください。アウトプットは間違っても気にしないこと。そのうちできるようになります。
自分の声は聞かなくてOK!とにかく「受け取って、出す」だけです。
最後の仕上げ:短文の飛ばし→シャドーイング再挑戦!
単語とばしがスムーズにできるようになってきたら、次は短い文(例:How are you? / I’m doing well.)を使って、1文飛ばしで英→英、日→日、英→日、日→英と同じように練習。
この段階まで来ると、以前は辛かった長文シャドーイングが、驚くほど「楽に」感じられるようになりますよ!
脳の筋トレ、6ヶ月続けてみませんか?
最初は「脳がかゆい!」と思うかもしれませんが、それはまさに脳の筋肉痛。その痛みを乗り越えたら、新しい景色が見えてきます。
トレーニングのあと、すぐに15分だけ同時通訳にチャレンジしてみてください。
もし、以前よりラクに感じたなら、あなたは大成功です!
数ヶ月後には、もっと高度な「脳分離トレーニング」も紹介しますね!
あなたの通訳人生、ここから新しいステージへ――。
ぜひ一緒に脳を鍛えて、同時通訳の世界を楽しみましょう!
by エディ先生
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何にでも「秘訣」はあるのですね。
目からうろこでした。