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「同時通訳なんてムリ!」と思っているあなたへ――脳の筋トレで変わる!


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同時通訳なんて人間業じゃないでしょ?」「一体どんな脳みそしてるの?」 そんな声、よく耳にします。


でも、もしあなたがすでに逐次通訳をされているのであれば、同時通訳だって、“脳の筋トレ”次第でできるようになりますよ!



シャドーイングで挫折したあなたへ


通訳学校の先生に、「シャドーイングを徹底的にやれ」って言われて、頑張ったけど。。。。。全然上達してる気がしない……

そんな経験、ありませんか?


よ~くわかります。実は私も、駆け出し通訳時代、シャドーイングが大の苦手でした。


というか、ぶっちゃけ嫌いでした。まず、教材の英文の内容が、政治や経済の難しい文章ばかりで、本当に飽き飽きしてました!


さらに、「これ、意味あるのかな?」と疑っているから、まったく上達しない。スポーツで言うと、「意味なくグラウンド10周させられている“やらされ感”。。。」――当時の先生、ごめんなさい🙇!


今振り返って思うのは、いきなり長い英文のシャドーイングを試みるのは、サイクリングにたとえるなら、筋トレで足腰を鍛えることもせずに、ロードバイクでツール・ド・フランスの山を登れと言われてるようなもの

当然、登れませんし、倒れてケガしますよね。



同時通訳者はアスリート!


逐次通訳には、アカデミックなshort-term retention(短期記憶維持能力)、comprehension(聞取り理解力)、ノートテーキング(書取り力)といった、基礎的なスキルは絶対に欠かせません。これは同時通訳も同じですが、一方同時通訳には、それ以外に、「運動能力」的な「特殊技能」が必要になります。

その運動能力とは?


脳を2分割して**インプット(聞く)アウトプット(訳出)**を別に動かす力です。

つまり、0.5秒ほど遅れてアウトプットインプットを追いかけられる能力です。ざっくり言えば、


• インプット(聞いて、理解して、置換する)→ 脳の80%

• アウトプット(訳出)→ 脳の20%


というイメージ。


これって、勉強や知識じゃなくて「身体感覚」なんです。

だからこそ、同時通訳スキルは、「勉強する」のではなく、「トレーニング」を重ねる事なのです。


私が効くぅ~!と感じた「単語とばし」トレーニング


ここで、私が通訳学校時代に学んで「おおっ、効いてる……!」と実感した練習法をご紹介します。

その名も――「単語とばし」トレーニング!正式名はラギング”lagging”と呼ぶらしいです。


やり方は超シンプル


Step 1:短い単語を10個書き出す

たとえば、こんな感じ:

山・川・海・池・水・丘・空・土・風・波


Step 2:録音する

メトロノームやアプリを使って、等間隔で録音します。スマホでOK!


Step 3:トレーニング開始!

• 1つ飛ばし

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録音を再生し、「川」の音に合わせて「山」を言う(かぶせる)、「海」に合わせて「川」を言う……というように、1つ前の単語を2つ目の単語と同時にアウトプットする


• 2つ飛ばし

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さらに慣れてきたら、「海」に合わせて「山」を言うような、2つ前の単語を3つ目の単語にかぶせて言ってみましょう。


• 3つ飛ばし

ここまで来たらかなり脳が鍛えられてきた証拠!達成感ありますよ。


一日5分で大丈夫です。この練習はラップトップの前で、ヘッドセットつけて準備する必要もなく、スマホとイヤーバッドだけでできるので、ジョギング中でも、ジムでもできますよ!リピート再生で毎日数回練習できます。



英語でもやってみよう!


もちろん、日本語だけじゃなく、英語の短い単語でも同じトレーニングをします。

"mountain, river, ocean..." など、テーマを決めてやってみてください。


これを繰り返して3ヶ月ほど続けると、驚くほど変化を感じるはずです。

気づけば脳が勝手に単語を記憶→再生してくれるようになっていきます。



レベルアップ編:日英・英日の「単語とばし」


さらに次の段階で、**「言語を変えて」**やってみましょう。

たとえば、「海」のタイミングで「山」を英語にして**"mountain"** と発音する。

これ、最初は難しいけど、しっかり続ければ確実に力がつきます。


ポイントは、アウトプットを気にしすぎないこと

とにかく「聞くこと」に80%集中してください。アウトプットは間違っても気にしないこと。そのうちできるようになります。

自分の声は聞かなくてOK!とにかく「受け取って、出す」だけです。


最後の仕上げ:短文の飛ばし→シャドーイング再挑戦!


単語とばしがスムーズにできるようになってきたら、次は短い文(例:How are you? / I’m doing well.)を使って、1文飛ばしで英→英、日→日、英→日、日→英と同じように練習。

この段階まで来ると、以前は辛かった長文シャドーイングが、驚くほど「楽に」感じられるようになりますよ!


脳の筋トレ、6ヶ月続けてみませんか?


最初は「脳がかゆい!」と思うかもしれませんが、それはまさに脳の筋肉痛。その痛みを乗り越えたら、新しい景色が見えてきます。


トレーニングのあと、すぐに15分だけ同時通訳にチャレンジしてみてください。

もし、以前よりラクに感じたなら、あなたは大成功です!

数ヶ月後には、もっと高度な「脳分離トレーニング」も紹介しますね!


あなたの通訳人生、ここから新しいステージへ――。

ぜひ一緒に脳を鍛えて、同時通訳の世界を楽しみましょう!


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2件のコメント


UraKen
6月28日

何にでも「秘訣」はあるのですね。

目からうろこでした。

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エディ先生
7月01日
返信先

@UraKen さん、いつもコメントありがとうございます。次の秘訣もお楽しみに!

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