【CPM入門(3)】実務編 ― プロジェクトのスケジュールを立ててみよう!
- エディ先生
- 1 日前
- 読了時間: 5分

前回のブログ「結婚式準備のプロジェクト」の例を使い、実際にクリティカルパス法を使ってプロジェクトのスケジュールを立ててみましょう。
各タスクのEarly Start(最速開始日)/Early Finish(最速終了日)/Late Start(最遅開始日)/Late Finish(最遅終了日)を算出することにより、各タスクにどれだけ余裕期間“Float”があるかを探ることが、遅れゼロの期限管理を成功させる秘訣です。
まず、前回作成した、所要日数を記述した各タスクの進行順序を並べたチャートをご覧ください。

タスク間の依存関係は以下です。 [→]は前工程が終了しないと次の工程に進めない「F-S(finish-to-start)」のロジックです。
A → B → D → G → H(クリティカルパス)
A → C → G → H
A → E → G → H
A → F → H
以下は上記の各タスクボックスを拡大した図です。
まず、タスクA~Hのそれぞれのボックスに、これから説明するES、EF、LS、LFなどの日付を記入して、最後に各タスクの余裕期間”Total Float”を算出する方法を見てみましょう。

Forward Pass(前進計算)― ESとEFを算出する方法
各タスクの、最も早く開始できる日(Early Start、ES)と、最も早く終われる日(Early Finish、EF)を順番に計算していきます。タスクの左から右に計算してゆくため、このプロセスを「前進計算」“Forward Pass”といいます。
例)
A.会場予約・全体計画
ES = 開始日は0日目
EF = EFはESに所要日数を足した日数ですから 0 + 2 = 2日目で、「2」と記入します。
B.ドレス制作(A の後工程)
ES = ESはAのEFと同じ日 = 2日目なので、「2」と記入
EF = EFはESに所要日数を足す、つまり2 + 14 = 16日目なので「16」と記入
このようにすべてのタスクボックスにESとEFを記入します。

ここで注意して見てください。タスク「G. 会場設営」の前工程は1つではなく、C、D、Eと3つあります。このタスクGは3つの前工程すべてが終了しないと始められないので(Finish-to-Startのロジック)、3つの終了期日のうち一番遅い19日目がタスクGのESとなります。
同様にタスク「H. 結婚式本番」も、F、Gの2つのタスクが両方とも終わらないと始まらないので、FとGのうち、EFがより遅い方の21日目がタスクHのESとなります。最終的にプロジェクト全体工期は22日です。
Backward Pass(後退計算)― LSとLFを算出する方法
次に、「絶対に遅らせられない最終日」からそれぞれのタスクの最も遅い開始日(Late Start、LS)と元も遅い終了日(Late Finish、LF)を逆算していきます。このプロセスを「後退計算」“Backward Pass”といいます。
例)
H.結婚式本番
LF = 22日目
LS = LSはLFから所要日数を引きます。22日 – 1日 = 21日目がLSになります。
G.会場設営・リハーサル(H の前工程)
LF = LFは前工程HのLSの日 = 21日目
同様に左の前工程に向かってLF-所要日数=LSの計算で日を確定してゆきます。

但し、タスク「A. 会場予約・全体計画」はB、C、E、Fの4つのタスク全ての前工程ですから、
B の LS = 2日目
C の LS = 14日目
E の LS = 12日目
F の LS = 17日目
この中で最も早い 2日目を選びます。つまり、LF = 2日目、LS = 2−2 = 0日目
前進計算と後退計算ができたら、最後にFloat(余裕期間)の計算を行います。
各タスクのFloat(余裕期間) = LS(最遅開始日) − ES(最速開始日)です。
チャートの各タスクボックス下段の真ん中が余裕期間の日数です。

クリティカルパスのA-B-D-G-HのタスクはどれもFloatがゼロのため、どのタスクも遅れが許されません。一方、
招待状作成(C)は 12日遅れてもOK
装飾準備(E)は 10日遅れてもOK
料理決定(F)は 15日遅れてもOK
しかし、
ドレス制作(B)、フィッティング(D)、会場設営(G)は1日も遅れが許されない
このように、チャートに描くと、どのタスクで遅れを出せないかが明白ですね!
今回の例のように8つのタスクなら、絵に描いて手で計算できますが、400~500のタスクで成り立っている巨大プロジェクトでは、やはりソフトウェアを駆使して、スケジューラーが毎週工程を管理しないと、4年先のオープンは保証できないのです!
結論
多くの現場やプロジェクトで起きている遅れは、どのタスクに余裕期間が無いのかを把握しないまま、余裕のある仕事に余分な時間を使い、一日でも遅らせることができない最重要タスクへの対応が遅れることで起きています。クリティカルパス法を使うと「今、どのタスクに集中すべきか」が、一目瞭然になります。皆さんも、お仕事の中でのプロジェクトやご自宅のリフォームなどをこの方法でスケジュール管理してみませんか?
前進計算“Forward Pass”で「最も早く終わる日程」を求め、後退計算“Backward Pass”で「絶対に遅れられない最終日」を逆算する。その差から求められる Float(余裕期間)が、本当に管理すべき仕事と、そうでない仕事を明確に分けてくれる。これが、クリティカルパス法が半世紀以上にわたり、世界中のプロジェクトで使われ続けている理由なのです。
by エディ先生
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